巧妙化する「AI投資」の闇:望みマーケッツ詐欺の手口とDEX時代の自己防衛戦略
AI による概要
「AI自動投資」や「望みマーケッツ(ノゾミマーケッツ)」を騙る投資勧誘は、被害者の資金を騙し取るために仕組まれたSNS型投資詐欺の手口です。 [1, 2]
近年、著名人のディープフェイク動画や「AIが自動で利益を確定させる」といった巧妙な謳い文句で信頼させ、偽のプラットフォームへ送金させる詐欺が急増しています。さらにWeb3やDeFi(分散型金融)の普及に伴い、DEX(分散型取引所)の匿名性を悪用して資金を追跡困難にするなど、手口は一段と高度化しています。 [1, 2, 3]
本記事では、具体的な詐欺の手口を解剖し、被害を防ぐための自己防衛戦略を解説します。
「望みマーケッツ」とAI投資詐欺の巧妙な手口
現在確認されている主な詐欺プロセスは以下の4ステップです。
[1. SNS広告・フェイク動画] ──> [2. LINE誘導・AnyDesk要求] ──> [3. 偽アプリで架空利益] ──> [4. 出金拒否・追加送金要求]
- AIとディープフェイクによる「入口」の自動化
有名アナリストや実業家の画像を無断使用し、AIで「株価が3倍になる銘柄を無料公開」といった嘘の広告動画を作成してSNSに掲載します。 [1] - 「望みマーケッツ」から「ムゲンマーケッツ」への誘導
「ノゾミマーケッツ(望みマーケッツ)」という名称で最初の決済や口座開設を受け付けた後、別の「ムゲンマーケッツ(無限マーケッツ)」からメールが届き、担当者のLINEを追加させられます。この際、サポートと称して「AnyDesk(エニーデスク)」などの画面共有アプリをダウンロードさせ、スマートフォンの操作を指示しながら送金させる手口が特徴です。 [1] - 偽のプラットフォームによる利益の演出
入金すると、詐欺グループが用意した偽の投資アプリやサイトの画面上で「AIが自動売買し、利益が出ている」ように見せかけます。最初は少額の出金を成功させて安心させることもあります。 [1, 2, 3] - 出金拒否と執拗な追加要求
まとまったお金を出金しようとすると、「税金」「手数料」「保証金」などの名目でさらに数百万〜数百万円の追加送金を要求され、最終的に連絡が途絶えます。 [1, 2]
DEX(分散型取引所)時代のリスクと闇
暗号資産やDEX(分散型取引所)が普及したことで、詐欺師の資金洗浄(マネーロンダリング)環境は「より好都合」に変化しています。 [1]
- 本人確認(KYC)の不在
国内の取引所(CEX)と異なり、DEXやウォレット(MetaMaskなど)は本人確認なしで誰でも利用・作成できます。そのため、詐欺師は完全に匿名で資金を受け取ることが可能です。 [1] - 「承認(Approve)」の罠
「このAIシステムをウォレットに接続すれば自動で稼げる」と騙し、悪意あるスマートコントラクトに「Approve(トークンの移動を許可する権限)」を与えさせます。これをしてしまうと、詐欺師側からいつでもウォレット内の資産をすべて抜き取れる状態(ラグプルなど)になります。 [1, 2] - 資金追跡の難避化
奪われた暗号資産は、ミキシングサービス(足跡を消すツール)を通過させて複数のDEXへ分散・移動されるため、一度送金すると警察や弁護士であっても追跡や回収が極めて困難になります。 [1]
被害に遭わないための自己防衛戦略
NISAやiDeCoなど資産を「増やす力」だけでなく、巧妙な詐欺から資産を「奪われない力」を身につけることが不可欠です。 [1]
- 金融庁の「無登録業者」リストを確認する
「望みマーケッツ」をはじめ、SNSで勧誘してくる業者の大半は金融庁への登録がありません。必ず金融庁の相談ダイヤルや公式サイトで登録の有無を確認してください。 - 画面共有アプリ(AnyDesk等)の要求は100%拒否する
他人にスマートフォンの画面を見せたり、遠隔操作を許可したりする行為は、銀行アプリや暗号資産ウォレットのパスワードを教えるのと同じです。 - ウォレット接続時の「Approve」を安易に行わない
見知らぬAI投資サイトやDeFiプロジェクトにウォレットを接続してはなりません。定期的に「Revoke.cash」などのツールを使い、過去に与えた不要な承認権限を解除(リボーク)してください。 - 個人名義の銀行口座への振込要求を疑う
投資の振込先が「毎回異なる個人名義の口座」になっている場合、それは100%詐欺用の買い取られた口座(トバシ口座)です。 [1, 2, 3, 4, 5]
もしお金を振り込んでしまったら(緊急対応)
万が一騙されて送金してしまった場合、最初の24時間の行動が返金の可能性を左右します。 [1]
- 追加入金と連絡を完全に停止する
「税金を払えば出金できる」と言われても、絶対に追加で払ってはいけません。 [1, 2] - すべての証拠をスクリーンショットで保存する
LINEのやり取り、相手のSNSプロフィール、振込明細、偽アプリの画面をすべて保存してください。 [1] - 公的機関へ通報・相談する
- 警察(被害相談専用ダイヤル):
#9110に電話し、口座凍結(振り込め詐欺救済法)の手続きや被害届の相談をします。 - 消費者ホットライン:
188から最寄りの消費生活センターにつながります。 [1]
- 警察(被害相談専用ダイヤル):
- 弁護士への相談を検討する
被害額が大きく、国内の振込先口座にまだ資金が残っている可能性がある場合、投資詐欺の解決実績がある専門弁護士に相談することで、口座凍結や返金交渉を進められるケースがあります。 [1]
もし現在、特定の業者から勧誘を受けて不審に思っている点や、すでに送金してしまい困っている状況などがあれば教えてください。現在の被害状況(送金手段や経過日数)や相手の具体的な指示内容などを共有いただければ、次に取るべき具体的なステップをご案内できます。



